システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
130.Accessでのシステム開発、社内で継続できる体制づくりのコツとは
Accessでの開発を検討しはじめた中小企業のシステム担当者の多くが最初に悩むのが、「社内でうまく運用を継続できるか」という点です。
せっかくAccessでシステムを構築しても、担当者の異動や退職、スキルの属人化により、後々使われなくなってしまうケースが少なくありません。
Accessでのシステム開発は、Excelなどの表計算ソフトに比べて圧倒的に柔軟で、業務にフィットしたツールを低コストで構築できる点が大きな魅力です。特に受発注管理、在庫管理、顧客管理など、日常業務を効率化したい中小企業にとっては、ぴったりの選択肢です。
とはいえ、Accessでの開発を一度きりのプロジェクトで終わらせないためには、「誰がメンテナンスできるか」「仕様変更にどう対応するか」といった視点で体制を整える必要があります。
ポイントは、開発だけでなく「継続運用」を前提に設計すること。
たとえば、テーブルやクエリ、フォームの命名ルールを明確にし、コメントやマニュアルを残すと、後任者への引き継ぎがスムーズになります。
さらに、Accessでのシステム開発を社内で回していくには、「外注任せにしない」姿勢も重要です。
初期の構築は専門家に依頼したとしても、日々の修正や帳票の変更など、軽微な調整は社内でできるよう、担当者にAccessの基本操作を学ぶ機会を設けましょう。
社内に一人でも「触れる人」がいるだけで、システムの寿命は格段に伸びます。
AccessはMicrosoft製品の一部であり、他のOffice製品との連携にも強みがあります。
たとえば、ExcelやOutlookとの連携により、業務フローの自動化も可能です。こうした点を活かすことで、Accessでの開発は単なるデータベース構築にとどまらず、業務改善ツールとしての役割も果たします。
中小企業にとって、限られたリソースの中で「ちょうどいい仕組み」を作ることが大切です。
Accessでのシステム開発は、その一助となる選択肢です。ただし、その効果を長く発揮させるためには、「構築」よりも「継続」の視点が欠かせません。
Accessを使った開発で、業務の見える化・効率化を実現し、かつ将来の人材交代にも対応できる柔軟な体制づくりを進めていきましょう。結果として、業務の安定化や社員の働きやすさにもつながります。