システム開発コラム集

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Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。

158.Accessでの開発が社内に根づく運用マニュアルの作り方

Accessで構築したシステムは、業務に直結しているからこそ、担当者が変わると運用が止まってしまうことがあります。内製化を進める中小企業にとって、引き継ぎできる“使えるマニュアル”があるかどうかが安定運用の鍵です。この記事では、Accessでの開発がスムーズに社内に定着し、長く使い続けられるための運用マニュアル作成の実務ポイントを解説します。

Accessでのシステム開発は、現場のニーズに応じて柔軟に機能を追加できるのが最大の魅力です。
しかし一方で、「あの人にしかわからない」「設計書がないから触れない」といった属人化のリスクも高くなりがちです。
社内にノウハウを残し、Access開発が根づくためには、運用マニュアルの整備が欠かせません。

マニュアル作成は「作ること」より「読まれること」が目的
まず意識したいのは、マニュアルは“引き継ぎ資料”ではなく、“業務を支える日常ツール”であるということです。
Accessでのシステム開発に慣れていない社員でも、操作や運用が迷いなくできるよう、わかりやすく、実際に使われるものを目指しましょう。

以下の要素を押さえると、現場に定着しやすいマニュアルになります。

  1. 操作マニュアルと管理マニュアルは分ける
    ・操作マニュアルには、日常業務で使う画面操作や帳票出力手順を簡潔に記載します。
    画面キャプチャを多用し、手順を番号で示すと初心者にも理解しやすくなります。
    ・管理マニュアルには、マスタメンテナンス方法や月次処理、トラブル時の対応、バックアップ手順など、担当者向けの情報をまとめます。
    この2種類を混ぜると混乱を招くため、必ず分けましょう。
  2. Access特有の注意点を盛り込む
    Accessでのシステム開発では、Excelと違って「操作を間違えるとデータを壊す」場面もあります。
    たとえば、テーブルに直接入力しない、ファイルを開いたまま放置しない、複数人で同時編集しないなど、特有の運用ルールをマニュアルで明文化しましょう。
  3. 更新履歴とバージョン管理を設ける
    Accessのシステムは更新頻度が高くなりがちです。
    「いつ、どの画面や帳票が変更されたのか」「その変更にマニュアルは対応しているか」を一目で把握できるよう、更新履歴表やバージョン番号を記載します。WordやPDFで作る場合も、最終更新日と作成者名をフッターに記載すると信頼性が増します。
  4. 業務とセットで説明する
    単なる画面操作の手順ではなく、「この処理は売上計上の締めであり、毎月末の15時までに実行する必要がある」といった業務の背景と一緒に説明すると、引き継ぎがスムーズになります。業務の意味が伝わらないと、操作があっていてもミスが起きやすくなるため、目的とルールも必ず明記しましょう。
  5. 印刷版+共有フォルダの両方で保管する
    現場では「すぐ手元で見たい」という声も根強いため、印刷版をファイル化して残しておくと便利です。
    ただし改訂のたびに全員に配り直すのは手間なので、常に最新版を共有フォルダ(OneDriveや社内NASなど)に置いておく運用もセットにしましょう。ファイル名にバージョンや日付を含めることで、古いマニュアルとの混同を防げます。

    Accessマニュアルづくりでありがちな失敗と対策
  • VBAの中身やテーブル構造まで詳細に書こうとして挫折
    → 担当者が変わったときに必要な「業務レベルの使い方」を中心に絞る
  • PDFを1本作ったまま放置
    → 更新のしやすさを意識し、WordやWikiなど編集可能な形式で残す
  • 書いた人しか理解できない独自用語の多用
    → 現場で使われている言葉と合わせる。略語は必ず注釈を

Accessでの開発は、社内業務に合わせて柔軟に組める半面、属人化や記憶頼りの運用に陥りやすい側面もあります。
マニュアルを整備し、誰でも使える状態をつくることで、Accessシステムが現場に長く根づき、担当者の交代にも強い仕組みとなります。

内製化や運用の安定を目指す企業にとって、「使われるマニュアル」はシステムと同じくらい価値ある資産です。Accessでの開発を成功させるためにも、運用マニュアルの見直しから始めてみましょう。

 

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