お金をドブに捨てないためのシステム開発発注虎の巻

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「システムを発注する」という事は、どの企業様にとっても日常茶飯事という事はあり得ません。システム開発の当事者になられた担当者の方にとっても、はじめての事も多く戸惑いも多い事でしょう。このコラムは、自社にシステムを導入する際に、気を付けなければならないこと、基本的な考え方など、システム開発を成功に導くためのノウハウについて書いています。

16.プロジェクトの進み方

プロジェクトの工程は大きく大別すると以下のように進んでいきます。

  1. 要件定義
    お客様の業務、作業、及び、どんなソフトウェアを作りたいかを聴取します。
  2. 設計
    お客様から聴取した内容を基に設計書を作ります。
  3. 製造
    設計書に基づいてソフトウェアを作ります。
  4. テスト
    完成したソフトウェアが正常に動作するかテストを行います。
  5. 納品
    お客様へソフトウェアを納めます。
  6. 検収
    お客様の方で要望通りのソフトウェアに出来上がっているか確認します。

お客様が注意すべき重要なポイントは以下の3つです。

・要件定義
この中で一番重要なのは、要件定義~設計までの部分です。
要件定義とは、お客様の要望を聴取する作業です。
お客様とシステム開発会社の対話によって進んでいく工程ですので打ち合わせを何度となく繰り返し、十分に自分たちの要望、作りたいソフトウェアのイメージをシステム開発会社に伝え、煮詰めていってください。

システム開発会社も、今までの経験から、様々な提案をしてくれると思います。
それらの提案を採用する、しないを決めソフトウェアのイメージを固めていってください。
ここが、しっかりと行われていないと前にも出てきましたがオーダーメイドの洋服屋さんの例の様になってしまいます。
では、伝え方ですが文書としてシステム開発会社に渡し、打ち合わせで説明するのが最もよいでしょう。現在の業務の状態、ソフトウェアを導入後にはこんな状態が、それぞれ分かるように書かれていれば、システム開発会社も理解できるでしょう。
また、もっと良い方法がある場合は、システム開発会社側から提案してくれることでしょう。
ソフトウェア的なイメージが出来るのであれば、どんな業務をどんな画面で、どういうふうに管理したいかを伝えて下さい。それが無理ならば、今の業務を5W1H(WHO WHERE WHAT WHEN WHY HOW)で伝えて下さい。そして、最終的に何が得られれば良いかを伝えて下さい。

見積り時に伝えた事とそれほど変わりませんが、以下のようになります。

  1. 今の業務について全体像(誰がいつ、どこで何をどの様にどうするのか)。
  2. どの部分を業務化したいのか、何を管理したいのか。
  3. ソフトウェア化した時に最終的に何を得たいのか(画面で検索とか、帳票を出力など)
  4. 管理する項目全ての情報。出力したい画面、印刷物のフォーマットと項目。
  5. 利用する人、利用する範囲、そして、データ、画面などを利用できる権限。

時々、要望聴取打ち合わせの時に自分たちの業務について話しあうお客様がいらっしゃいますが、業務の話し合いをしていては要望を伝える事ができません。
これは、納期を遅らせてしまう結果となってしまいますので要望聴取の打ち合わせ前には、事前に業務についての話し合いの場を設ける事をお勧めします。
要望聴取が完了するとレビュー(報告会)や資料でお客様へ正しく要望を聴取できているか確認を行います。それをしっかりと確認し良ければOKを出してください。  
修正箇所があれば指摘してください。
間違っても確認もせずにOKを出してはいけません。

・設計
そして、設計が完了すると要件定義の時と同様に設計書の確認やプロトタイプを使用してレビュー(報告会)が開かれたりします。この設計はソフトウェア屋が作業するところなのですが、最後のレビューなどの確認はとても重要なところです。良く確認してOK 、NGを出してください。オーダーメイドの洋服屋さんの例で言えば、洋服の生地サンプルやデザインの図面を提示されて「これで良いですか?」と確認されているところです。良く見ずにOKを出して後で色が違っていた、形が違っていたと文句を言っても「OKを出したじゃないですか?」と取り返しがつかないことになってしまいます。ここが、後のトラブルの種になりやすい部分ですので慎重にOKを出してください。この段階であれば、まだ後戻りが出来ます。気に入らないのなら、気兼ねなく、ここでNGを出した方がソフトウェア屋にとっては親切です。

・テスト
業務テストは、実際の業務内で使用し業務で使用可能かを確認を行います。
運用テスト、導入テストなど、今までの業務と平行で業務を行います。
ユーザー再度としては、仕事が2倍になってしまう期間ですが、運用で不具合が出ないように、この段階でつぶしておく必要があります。

・検収
納品されたソフトウェアが要求どおりに、設計書通りに完成しているかを確認します。
頼んだ通りに出来てなければ修正を依頼してください。
一通り確認しOKであれば検収完了した事を連絡し、検収完了書に検収完了印を押していただく事になります。

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