Microsoft Accessでシステム開発

Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。

206.Accessシステム開発を内製するか外注するか迷ったときの判断基準

Accessでのシステム開発を考え始めた中小企業の担当者にとって、まず悩むのが「自社で開発するか、外部に依頼するか」という点です。Excelでの管理に限界を感じ、Access開発に踏み切ろうと思ったとき、どの方法が自社に合っているのかを判断することは、システムの使いやすさや運用コストに直結します。

まず、内製でAccess開発を行う場合のメリットを考えてみましょう。
自社で開発する最大の利点は、業務の細かい部分まで理解している担当者が作るため、現場に合った柔軟なシステムを作れることです。
Accessでのシステム開発では、顧客管理や在庫管理、注文処理など、業務の流れに沿ったテーブル設計やフォーム設計が必要です。外注ではどうしても仕様の伝達に時間がかかる場合がありますが、内製なら日々の業務の中で改善点をすぐに反映できます。

一方で、自社にAccess開発の経験が十分でない場合、システム構築やトラブル対応に時間がかかるリスクがあります。特に複雑なリレーション設計やVBAを使った自動化処理などは、経験不足だと思ったように動作しなかったり、将来的な拡張が難しくなることもあります。
内製でAccess開発を行う場合は、担当者のスキルや作業時間、学習コストも考慮する必要があります。

外注する場合のメリットは、専門知識を持つ開発者によって、短期間で安定したAccessシステム開発を進められる点です。業務分析からシステム設計、テーブルやフォームの構築まで、一貫してプロに任せられるため、業務の現場が混乱することなく導入できます。また、将来の保守やバージョンアップに関しても、外注先がサポートしてくれることが多く、安心感があります。
ただし、コストは内製に比べて高くなる場合がありますし、業務内容の細かいニュアンスを伝える手間も必要です。

判断のポイントとしては、まず「システムの規模」と「社内リソース」を考えることです。
簡単な顧客管理や在庫管理のように、小規模で拡張の予定が少ないシステムであれば、内製でAccess開発を進める方がコスト面でも有利です。逆に複数の業務を横断するような複雑なシステムや、将来的に機能拡張が必要な場合は、外注を選ぶほうが安心です。

また、運用体制も重要な判断材料です。
Accessでのシステム開発は導入後の運用やデータ管理が長期にわたるため、担当者が継続して管理できるか、社内で引き継ぎが可能かを考慮しましょう。
内製で作った場合、担当者が辞めるとメンテナンスが困難になることもあります。一方、外注で作った場合でも、仕様書や操作マニュアルをしっかり受け取り、社内で運用できる仕組みを整えておくことが大切です。

さらに、Access開発の学習コストや業務改善のスピードも判断基準になります。
内製でAccess開発を始めると、担当者が学ぶ過程で業務改善のアイデアが生まれやすくなります。しかし、学習にかかる時間や試行錯誤のリスクを考えると、急いでシステム化したい場合は外注のほうが効率的です。

Accessシステム開発を内製するか外注するかは、一概にどちらが良いとは言えません。重要なのは、自社の業務の複雑さ、担当者のスキル、導入までの時間、将来の拡張性などを総合的に判断することです。
場合によっては、小規模な部分は内製で試作し、複雑な部分は外注するハイブリッド型も検討できます。

Excelでの管理に限界を感じたら、Access開発に踏み切るタイミングです。
内製か外注かの判断をしっかり行い、自社に合った方法でAccessシステム開発を進めることで、業務効率の改善と安定したデータ管理が実現できます。