システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
184.Accessでのシステム開発とRPAの連携で実現する業務自動化の最前線
近年、多くの企業が掲げているテーマが「業務の自動化」。
その中でも注目されているのが、Microsoft AccessとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の連携です。
Accessは柔軟かつ軽量な業務システムの構築に優れ、
RPAは人の操作を代替し、繰り返し業務を自動でこなすツール。
この2つを組み合わせることで、
人手がかかっていた定型業務を一気に効率化できます。
この記事でわかること
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AccessとRPA、それぞれの役割と特徴
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両者を連携させた具体的な自動化の事例
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導入時に気をつけたいポイント
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今後の展望と中小企業への可能性
AccessとRPA、それぞれの得意分野とは?
Accessの強み
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顧客管理・受注・在庫など、社内向けの業務システムを簡単に構築
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VBAで細かいロジックも実装でき、柔軟な業務フローに対応可能
RPAの強み
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Excelやブラウザ、業務アプリの操作を自動化
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クリック・入力・検索・ファイル操作など、人の操作を模倣
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24時間365日、ミスなく稼働できるのが大きな魅力
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代表的なツール:UiPath、Power Automate、WinActor
Access × RPA連携で自動化できる業務例
以下のような自動処理が実現可能です:
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Accessで抽出したデータを、RPAが会計ソフトに自動入力
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Accessで生成した日次レポートを、RPAがPDF化してメール送信
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RPAが外部サイトから取得したデータをAccessに登録
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Accessの入力情報をもとに、RPAが請求書を発行・印刷・保存
Accessは情報を整理・保持する中核として機能し、
RPAはその情報を活用して外部とのやりとりや作業の自動実行を担います。
AccessとRPAを連携させる方法
① CSVやExcel経由でのデータ連携
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AccessからCSV/Excelをエクスポートし、
RPAがそれを読み込んで処理する -
最も手軽で導入コストも低い方法
② RPAがAccessを直接操作
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Accessのフォームやレポートを、RPAが画面操作で自動実行
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UIの構造はシンプルで安定した設計が必要
③ VBAとRPAの役割分担
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Accessでデータ処理や整形を完了
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RPAはその結果を使ってファイル送信や他アプリとの連携
④ SQL Serverとの組み合わせ
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AccessのデータをSQL Serverに格納
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RPAがSQL Serverを介して処理を行う構成
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大規模業務や拡張性を重視する企業向け
導入時の注意点
自動化を安定して運用するためには、以下を事前に検討しておくことが重要です:
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処理対象の画面やファイル形式を安定化させる設計
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Accessの処理完了タイミングをRPAと同期させる制御
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エラー発生時のログ取得・リカバリ手順の整備
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ファイルの保存先や命名規則の統一
これらをあらかじめ仕組みに組み込むことで、想定外のトラブルにも強い自動化システムになります。
今後の展望:中小企業にとって現実的なDX手段
今後はPower Platform(Power Apps+Power Automate)の進化により、
Access+RPAの組み合わせはさらに手軽かつ高機能になっていくでしょう。
Accessに蓄積された業務データを、RPAを通じて外部と連携させることで、
中小企業でも無理なく実現可能なDX(デジタルトランスフォーメーション)が可能になります。
AccessとRPA、それぞれの得意分野を生かした役割分担により、業務の自動化と効率化が大きく前進します。
手作業で行っていた業務こそ、自動化の効果が大きい領域。
今こそ、業務フローを見直し、「最適な自動化モデル」の構築を始めてみませんか?