システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
144.Accessでの開発を内製化する際のメリットとデメリット
自社でAccessシステムを開発・運用する前に知っておきたいこととは?
Accessでの開発を自社で行う企業が増えている理由
中小企業において、業務の効率化やペーパーレス化が求められる中、Accessでのシステム開発を内製化する動きが目立つようになってきました。
AccessはMicrosoft Officeに含まれており、特別な開発環境を用意せずとも手軽に始められるのが特徴です。
また、現場の業務フローに即したシステムを自社で作成・運用できるため、外注せずにAccessでの開発を内製化することは、時間・コストの両面で大きなメリットがあります。
ただし、Accessでの開発には専門的な知識が必要な部分もあり、デメリットも無視できません。以下に、メリット・デメリットを整理してご紹介します。
内製化のメリット:柔軟性とスピードが魅力
まず、Accessでのシステム開発を内製化する最大の利点は、現場の要望にすぐ対応できる柔軟性です。
日々の業務で「ここをもう少し使いやすくしたい」「集計方法を変えたい」といったニーズに対し、社内の担当者が即時に対応できることで、業務改善のスピードが格段に上がります。
また、社内の業務を深く理解している担当者が自ら開発に関わることで、業務に最適化されたシステムが完成しやすく、導入後の「使いにくさ」も少なくなります。
さらに、外部ベンダーに開発を依頼する場合と比べて、開発・運用コストを抑えられるのも大きな魅力です。
特に、繰り返しの改善や小さな改修を重ねるような運用においては、内製化の効果が顕著に表れます。
内製化のデメリット:スキル不足と属人化のリスク
一方で、Accessでの開発を自社で行うには、VBAやクエリ、正しいデータ設計に関する一定の知識が求められます。
自己流で開発を進めた結果、動作はするけれど構造が複雑で修正が困難な「ブラックボックス化」したシステムになるケースも少なくありません。
また、開発を担当した社員が異動・退職した場合に、引き継ぎが困難になり、システムが放置されてしまうリスクもあります。
属人化を防ぐには、マニュアル作成やコードの整理、定期的なレビュー体制の構築が不可欠です。
さらに、セキュリティやバックアップといった運用面の対策が後回しになりがちなのも課題です。
システム開発は「作って終わり」ではなく、継続的な運用と保守が求められることを念頭に置く必要があります。
まとめ:Accessでの開発は「内製+外部サポート」のハイブリッドも
Accessでのシステム開発は、内製化によってコストを抑え、業務に合った仕組みを構築できる大きなチャンスです。
ただし、内製だけで完結させるには一定のハードルがあり、技術的な壁や人的リスクに備えることが重要です。
社内で可能な範囲は自分たちで構築し、必要な部分だけ専門家にサポートを依頼するなど、「内製+外注」のハイブリッド型運用もひとつの選択肢となります。
Accessでの開発をこれから検討している企業は、自社の体制やスキルに応じて、無理のない方法で導入を進めてみてはいかがでしょうか。