システム開発コラム集
Aceessでのシステム開発に関するコラム集です。
147.Accessでの開発におけるユーザーインターフェース設計の重要性
Accessでのシステム開発を進める中で、機能ばかりに目が向き、ユーザーインターフェース(UI)の設計が後回しになることがあります。しかし実際には、日々システムを使う現場の担当者にとって、「使いやすさ」は機能以上に大切な要素です。Accessでの開発においても、UI/UX設計の基本を押さえることで、業務効率や定着率が大きく変わってきます。
Accessはフォーム機能が充実しており、業務に合わせた画面を自由に設計できるのが特徴です。この柔軟性を活かすためには、最初に「誰が、何のために、どの順番で使うのか」を明確にすることが欠かせません。
たとえば、データ入力が中心の担当者向けであれば、キーボード操作だけで完結する設計にすると作業がスムーズになります。逆に、管理者向けにはグラフや検索機能など、視覚的にわかりやすいインターフェースが求められるでしょう。
ボタンやラベルの配置も重要です。似たような処理をするボタンを隣に並べて配置したり、色分けやアイコンで役割を示したりすることで、直感的な操作が可能になります。
Accessでは「タブ付きフォーム」や「ナビゲーションフォーム」も活用できるため、画面遷移を整理してわかりやすい導線を作ることも可能です。
また、エラーメッセージや入力チェックも、ユーザーの負担を軽減するために工夫したいポイントです。たとえば、入力ミスがあった場合には、何が原因で、どう修正すればよいのかを具体的に伝えることで、ストレスのない操作が可能になります。VBAを活用すれば、細かな挙動のカスタマイズも柔軟に行えます。
Accessでのシステム開発は、「業務を楽にするため」に導入されることがほとんどです。
にもかかわらず、使いにくい画面や複雑な操作が残ってしまうと、現場から不満が出たり、最悪の場合は使われなくなってしまうこともあります。
UI/UX設計は、見た目だけでなく「使い心地」にまで踏み込んで考えることが大切です。
Accessを使ってシステムを内製化する企業が増えている今だからこそ、こうした設計の基本を意識することで、現場に本当に喜ばれるシステムを提供できます。
Accessでのシステム開発を成功させるためには、UI設計を単なる“飾り”ではなく、業務効率を左右する“機能の一部”として考えていくことが求められます。少しの工夫が、大きな使いやすさにつながる。その積み重ねが、システム定着の鍵となるのです。