システム開発コラム集
システム開発に関するコラム集です。
26.システムの使いやすさ(利用者視点)
近年は、かなり改善されてきていますが、昔は、システムを利用する側の事を考えずに開発者寄りにシステムが作られる事が多くありました。
それは、メッセージやボタンについても同じ事です。
メッセージ
昔、開発者の間でも議論の的となりましたが、メッセージをどのような文章にするか?
よく偉そうなメッセージを表示させて上司から怒られている開発者がいました。
利用者の行動を否定する様なメッセージが表示されるため利用者へストレスを与えてしまいます。
- 「名前の項目に入力していません。」
- 「電話番号の項目は、数字以外使用できません。」
かなり不親切な印象を受るメッセージです。最低でも下の様なメッセージにした方が良いでしょう。
- 「名前の項目に入力して下さい。」
- 「電話番の項目は、数字で入力して下さい。」
昔、Windowsが突然、電源が切れてしまった時に、再度、起動すると、 いきなり電源を切るな的なメッセージが表示されるため、かなり反感を買った事があります。
次のWindowsのバージョンでは、「大変ご迷惑をおかけしました。・・・」と謝罪からメッセージが始まるようになりました。
システムのメッセージでは、謝罪の必要はありませんが、システムの画面やメッセージとは、利用者に正しくシステムを使用してもらう様に導く役割があります。
自身が利用者にシステムの使い方を説明している時と同じような言葉でメッセージを設定するべきです。
リセットボタン
問合せフォームに良く見かける「リセット」ボタンですが、どなたか使った事がありますか?
サイト制作する人が、よく取り付けているのを見かけますが、他人の真似をして取り付けていると思われますが、実際の運用上では、ほぼ使われる事はありません。
「リセット」ボタンを押すタイミングは、別のページに遷移するタイミングかブラウザを閉じるタイミングですので使われる事はないわけです。
では、システムで必要か否か?
検索画面に「クリア」ボタンは必要か否か。
検索条件をクリアする事は当然あると思います。今まで、他の条件で検索していて全く違った条件で検索したい場合には、必要になります。
登録画面でクリアをする事はないでしょうか?
入力途中で別の内容のデータを先に登録したい等の場合には、必要になると思います。
入力順が関係あるシステムの場合には、それも必要かもしれませんが、今時、入力順が関係あるシステムはあり得ませんので、これも必要ないでしょう。
使いやすさの追求
メッセージや「リセット」ボタンに限った事ではなく、オブジェクトや遷移の動作も含め、 この様に、ひとつひとつの事を正しく吟味してある事が必要で、ただ漠然とメッセージを設定する、 他の人がやっているから真似をするのではなく、疑問に思う事は常に吟味し利用者が使った時の事を考えてシステムを作る事が大切です。