お金をドブに捨てないためのシステム開発発注虎の巻

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「システムを発注する」という事は、どの企業様にとっても日常茶飯事という事はあり得ません。システム開発の当事者になられた担当者の方にとっても、はじめての事も多く戸惑いも多い事でしょう。このコラムは、自社にシステムを導入する際に、気を付けなければならないこと、基本的な考え方など、システム開発を成功に導くためのノウハウについて書いています。

3.ちょっと待って、そのシステムは本当に必要ですか?

システムを導入したことによって逆に入力業務が増え、以前より忙しくなったと言う声を聞くことがあります。仕事を楽にするはずのシステム開発が、逆に以前より負担を増やしている事があります。

業務全てをシステム化することにより、入力業務の頻度が増える事があります。
極端な例えですが、今までデータが送られてきていたファイルコピーし、エクセルに貼り付けて印刷していただけの事をシステム化したとします。
コピーして張り付けるという作業が出来なくなってしまったため、一度ファイルを印刷し、それを見ながらシステムに入力する手順になってしまいました。
当然、これでは入力の手間が増えた事になります。
では、次の様な例はどうでしょう。

ある入力担当者が、月末に、以下のような作業を行っていました。

  1. 各営業担当から上がって来た売上伝票をエクセルに入力する。
  2. 売り上げ集計表を作成する。
  3. 同時にグラフを作成し、月の売り上げ推移表を作成する。
  4. これらを営業課長へ提出し、課長が月次報告書を作成する。
  5. 課長の月次報告書と合わせて、表紙を付け翌月1日着で本社へ郵送する。

システム化することにより以下の様に変化しました。

  1. 各営業担当者がシステムに売上伝票をその都度入力する。
  2. システムが、当日までの売上げ集計表を作成する。
  3. システムが、当日までの売上げ推移グラフを作成する。
  4. これらを営業課長が確認し、システムに月次報告書を入力する。
  5. 表紙をつけた報告書を電子ファイル化し、本社へメールで送信する。

よくあるシステム化の例ですが、システム化したメリットは、

  1. 入力担当者の負担が軽減された。
  2. 売上げ集計、売上げ推移グラフが自動化されたため人が作成する必要が無くなった。
  3. 表紙等をシステムで作成できるため、人が作成する必要が無くなった。
  4. また、システムから書類をすぐに作成できるようになった。

(人による作業時間がなくなったため営業課長も月次報告書を落ち着いて書くことが出来る。また、電子化したことにより入力担当者も翌月1日着の集配の時間を意識する必要が無くなった。)

ここで注目すべき事は事業所全体の作業量です。
今まで入力担当者が行っていた入力業務が各営業担当に振り分けられた事によって、営業担当達は作業量が増えたとぼやく事になります。
しかし、実質10分程度の入力作業が、1日1~2回程度行うだけですから作業量的にはたいした事ではありません。
それよりも事業所全体の作業量で見た場合、トータル作業時間では短縮されています。

もし、上の作業が以下の様であればシステムを導入する意味はありません。

今まで1人の入力担当者が、こんな作業を行っていたとしましょう。

  1. 各営業担当から上がって来た売上伝票をエクセルに入力する。
  2. 入力した売上げ一覧表を印刷して本社へ送る。

システム化することにより以下の様に変化します。

  1. 各営業担当者が売上伝票をシステムにその都度入力する。
  2. ステムから売上げ一覧表を印刷して本社へ送る。

ただ、作業を分散しただけです。
むしろ、今まで通りに、入力担当者1人に集中的に入力してもらった方が作業効率も高く良いでしょう。
この場合、逆に工数が増えてしまっており、システム化する意味は全く見出せません。
このままエクセルで管理する方をお勧めいたします。
当然、各営業担当からは作業が増えたと文句が出てくるでしょう。
説得する材料も無いため、最悪は意味の無い作業はしたくないと入力作業さえしなくなり、システムも使われなくなってしまう可能性があります。

この様に、業務をやみくもにシステム化するとむしろ無駄になる事さえあります。
どの業務をシステム化するのか、あるいはシステム化しないのかをよく業務の内容を整理し検討されると良いでしょう。

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