お金をドブに捨てないためのシステム開発発注虎の巻
「システムを発注する」という事は、どの企業様にとっても日常茶飯事という事はあり得ません。システム開発の当事者になられた担当者の方にとっても、はじめての事も多く戸惑いも多い事でしょう。このコラムは、自社にシステムを導入する際に、気を付けなければならないこと、基本的な考え方など、システム開発を成功に導くためのノウハウについて書いています。
4. 1+1=10、業務システムの存在意義
Accessで開発した業務システムでは、入力1に対して、いくつの出力が行えるか。
集めた情報を入力 → 業務システムにより情報を整理 → 表やグラフ、伝票、等を画面やプリンター、ファイルに出力を行う
「じゃあ、エクセルでも出来るよ」と思われるでしょうが、もう少し先まで読んでみて下さい。
Accessでシステム化した場合のメリットは以下のような事があげられます。
- 複数の人が入力することが出来る。
エクセルで入力した場合、どこの部分に何を入力しなければならない等は、そのエクセルの表を作った本人しか分かりません。そうなると複数の人が入力することが不可能になります。業Accessの場合、予め業務別に画面を分けておけば、各業務担当者が入力する場所を迷わずに正しく入力する事が出来るようになります。 - 加工の手間をコンピューターに任せることが出来る。
今までエクセルに名前や品名を入力して伝票やグラフを作成していましたが、Accessで開発したシステムでは、伝票やグラフのフォーマットを予め決めておけば名前や品名を入力しただけで、伝票やグラフが出力できるようになります。わざわざ伝票やグラフを作成していた余分な時間を省くことが出来ます。 - 集めた情報を容易に見たい形で出力できる。
2と同じことですが、エクセルで加工することが苦手な人でも自分の見たい伝票やグラフに画面に表示させたり、プリンターに印刷することが出来ます。 - 単純作業が早い。
月末に会社ごとにその月の請求書を作成する作業では、1枚作成するならたいした事ありませんが、100枚も作成するとなると大変な作業です。そのような単純作業ならば、Accessでの業務システムの方が圧倒的に早く印刷することが出来ます。 - 情報を共有する。
入力された値や情報を別の人が見ることが出来ます。社内のネットワーク等でデータを共有できるようにしておけば離れた事業部の人も入力した情報、作成した表やグラフも見ることが出来ます。
つまり、1入力して1しか出てこないシステムであるならば、それは、エクセルでも十分だということです。
- エクセルに各営業担当からあがって来た売上伝票を入力を行います。
- 入力した表を印刷して本社へ送る。
この場合、入力した結果を印刷しているだけですから1を入力し1を出力しています。1入力することにより、売上げ集計表や売上げ推移グラフ、等の様々な書類が出せるようでなければシステム化する意義はありません。